ベーカーズパーセントは、
暮らしの中の “ちょうどいい” を探す作業に少し似ています。
パン作りをしていて、
「今日はもう少し多めに作りたい」
「家族の人数に合わせて個数を増やしたい」
「希望の分量でパン生地を作れたらいいのに」
と思ったことはありませんか。
また、オリジナルレシピでパンを作ってみたいけれど、
材料の配合がわからず、
どこから考えればよいのか迷うこともあります。
そんなときに役立つのが、
ベーカーズパーセントです。
ベーカーズパーセントを使うと、
粉の量を基準にして、
砂糖・水・バター・塩・イーストなどの分量を計算できます。
つまり、基本の配合を守りながら、
作りたい量に合わせて生地を増やしたり、
少なくしたりできるのです。
今回は、日々のパン作りでベーカーズパーセントを使っている私が、
希望の分量でパン生地を作る方法を紹介します。
計算は少しだけ出てきますが、
順番に見ていけば大丈夫です。
あなたの暮らしに合った、
ちょうどいいパン作りの参考になればうれしいです。
ベーカーズパーセントとは
ベーカーズパーセントとは、
粉の量を100%として、ほかの材料が何%入っているかを見る方法です。
たとえば、強力粉が250gのレシピなら、
その250gを100%として考えます。
そこから、
- 砂糖は粉に対して何%か
- 水は粉に対して何%か
- バターは粉に対して何%か
- 塩やイーストは何%か
を計算します。
パン作りの分量を整えるための、
とても便利な考え方です。



この割合がわかると、粉の量を増やしても、
同じバランスで材料を計算できるようになります。
希望の分量でパン生地を作る方法
今回は、基本の分量をもとにして、
8個分のパン生地を12個分に増やす方法で説明します。
まずは、基本になるレシピを見てみます。
・基本の分量:8個分
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 強力粉 | 250g |
| 砂糖 | 25g |
| インスタントドライイースト | 3g |
| 塩 | 3g |
| 水 | 170g |
| バター | 10g |



このレシピでは、強力粉250gで8個分のパンが作れます。ここから、12個分の生地に増やしていきます。
ベーカーズパーセントは、
粉の量を100%として計算します。
・計算式
各材料 ÷ 強力粉 × 100



今回は強力粉が250gなので、それぞれの材料を250で割ります。
・基本レシピのベーカーズパーセント
| 材料 | 計算式 | ベーカーズパーセント |
|---|---|---|
| 強力粉 | 250 ÷ 250 × 100 | 100% |
| 砂糖 | 25 ÷ 250 × 100 | 10% |
| バター | 10 ÷ 250 × 100 | 4% |
| 水 | 170 ÷ 250 × 100 | 68% |
| インスタントドライイースト | 3 ÷ 250 × 100 | 1.2% |
| 塩 | 3 ÷ 250 × 100 | 1.2% |
これで、基本レシピの配合が見えてきました。
・基本レシピの割合
| 材料 | 割合 |
|---|---|
| 強力粉 | 100% |
| 砂糖 | 10% |
| バター | 4% |
| 水 | 68% |
| インスタントドライイースト | 1.2% |
| 塩 | 1.2% |



この割合を使えば、粉の量を変えても、同じバランスで生地を作ることができます。
12個分の生地に増やしてみる
ここからは、
基本の8個分を12個分に増やしていきます。
まず、1個あたりに使う強力粉の量を出します。
・計算式
基本の強力粉 ÷ 出来上がり個数
今回の場合は、
250 ÷ 8 = 31.25



つまり、1個あたりの強力粉は 31.25g です。
次に、作りたい個数をかけます。
31.25 × 12 = 375
12個分に必要な強力粉
375g
これで、12個分を作るには、強力粉が375g必要だとわかりました。
次に、375gの強力粉を基準にして、
ほかの材料を計算します。
・計算式
粉の量 × 各材料のベーカーズパーセント
・12個分の材料計算
| 材料 | 計算式 | 分量 |
|---|---|---|
| 強力粉 | 375g | 375g |
| 砂糖 | 375 × 10% | 37.5g |
| バター | 375 × 4% | 15g |
| 水 | 375 × 68% | 255g |
| インスタントドライイースト | 375 × 1.2% | 4.5g |
| 塩 | 375 × 1.2% | 4.5g |
・12個分の分量まとめ
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 強力粉 | 375g |
| 砂糖 | 37.5g |
| バター | 15g |
| 水 | 255g |
| インスタントドライイースト | 4.5g |
| 塩 | 4.5g |
これで、8個分の基本レシピを、12個分に増やすことができました。
はかりに合わせて端数は調整して大丈夫
パン作りでは、
0.1g単位まで量れるはかりがあると便利です。
とくに、イーストや塩のように少量で使う材料は、
細かく量れると安心です。
ただし、家庭で作る場合は、
お手持ちのはかりに合わせて、
小数点以下を四捨五入しても大丈夫です。
たとえば今回なら、
| 材料 | 丸めた分量の目安 |
|---|---|
| 強力粉 | 375g |
| 砂糖 | 38g |
| バター | 15g |
| 水 | 255g |
| インスタントドライイースト | 4.5g前後 |
| 塩 | 4.5g前後 |



使いやすい形に少し整えると、作業もしやすくなります。
オリジナルレシピにも応用できる
ベーカーズパーセントを覚えると、
パン作りの幅が広がります。
パン作りに欠かせない基本の材料は、
- 粉
- イースト
- 水
- 塩
です。
これに加えて、
砂糖やバター、牛乳、豆乳、はちみつ、オイルなどを使うことで、
パンの風味や食感を変えることができます。
甘めのパンが好きなら、
砂糖を少し多めにすることができます。
砂糖の代わりに、
- はちみつ
- 黒糖
- オリゴ糖
などを使うと、
風味も変わります。
同じ甘さでも、
使う材料によって香りやコクが変わるのが楽しいところです。
油分を控えたいときは、
バターを少なめにすることもできます。
また、バターの代わりに、
- 米油
- オリーブオイル
- ココナツオイル
などを使ってみるのもよいですね。
油分を変えると、
生地のしっとり感や香りも変わります。
水分を変えたいとき
- 牛乳
- 豆乳
- スキムミルクを加えた水
などを使うと、
コクや風味が出やすくなります。
水分の種類を変えるだけでも、
同じ配合のパンが少し違った表情になります。
パン作りは、
こうした小さな違いを楽しめるところがいいですね。
今回の基本生地について
今回の基本生地は、
油分を少し控えめにした、
やや甘めのパン生地です。



シンプルなので、丸パンや惣菜パン、菓子パンなどにも応用しやすい配合です。
最初はこの分量をもとにして、
少しずつ自分好みに変えていくと、
オリジナルレシピを作りやすくなります。
いきなり大きく変えるより、
砂糖を少し増やす。
水の一部を牛乳に変える。
バターを少し増やしてみる。
そんなふうに、
ひとつずつ試していくと失敗しにくいです。
ベーカーズパーセントで広がるパン作り
ベーカーズパーセントのよさは、
レシピを自由に調整できるところです。
- 8個分を12個分に増やす。
- 反対に、少なめに作る。
- 家にある型や天板に合わせる。
- 自分好みの配合を探す。
こうした調整がしやすくなります。
パン作りは、
決められたレシピをそのまま作る楽しさもあります。
でも、自分の暮らしに合わせて、
少しずつ整えていく楽しさもあります。
- 今日はたくさん焼いて冷凍したい。
- 今日は少しだけ作りたい。
- 家族の分に合わせて増やしたい。
- 甘さを少し控えたい。



そんな日々の小さな希望に、ベーカーズパーセントはそっと応えてくれます。
まとめ
今回は、ベーカーズパーセントを使って、
希望の分量でパン生地を作る方法を紹介しました。
流れをまとめると、次のようになります。
計算の流れ
- 基本レシピの粉の量を100%として考える
- 各材料のベーカーズパーセントを出す
- 作りたい個数に合わせて粉の量を計算する
- 粉の量に各材料の割合をかける
- 必要な材料の分量を出す
ベーカーズパーセントは、
もともとパン職人さんが使う専門的な考え方です。
けれど、家庭のパン作りでもとても便利です。
分量を増やしたいとき。
少なく作りたいとき。
自分好みの配合にしたいとき。



粉を基準にして考えるだけで、パン作りがぐっと自由になります。
作る生地によっては、
分量が細かくなることもあります。
本格的に作りたい方は、
0.1g単位ではかれるスケールがあると便利です。
もちろん、ない場合は、
小数点以下を四捨五入しても大丈夫です。
パン作りに必要な基本は、
粉・イースト・塩・水。
そこに、砂糖や油分、牛乳や豆乳などを加えることで、
自分だけの味を作っていくことができます。
ベーカーズパーセントは、
パン作りをむずかしくするものではなく、
むしろ自由にしてくれるものです。



暮らしの中のちょうどいい分量を探しながら、
あなただけのパン作りを楽しんでみてくださいね。









