古い型のオーブンレンジを使い続けて10年。
週末になると、
私は今もそのオーブンでパンを焼いています。
「オーブンの温度が足りないから、パン作りは無理かも」
「家庭用オーブンでは、きれいなパンは焼けないのでは?」
そう思って、パン作りをあきらめていませんか。
私も以前は、
210℃以上の高温が出ないことを理由に、
パン作りを少し遠ざけていました。
けれど、実際に作ってみると、
200℃前後でもロールパンはきちんとおいしく焼けることがわかりました。
それから少しずつ、
家庭用オーブンで作れるパンのレパートリーが増えていきました。
今回は、初心者の方にも作りやすい、
基本のロールパンの作り方をご紹介します。
特別な設備がなくても大丈夫です。
生地をこねて、
形を整えて、
ふくらむのを待って、
焼き上がりの香りを楽しむ。
その時間は、
忙しい毎日の中で、週末の小さな楽しみになっています。
基本のロールパン材料:8個分
まずは、基本の材料です。
材料一覧
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 強力粉 | 200g |
| インスタントドライイースト | 3g |
| 砂糖 | 24g |
| バター | 30g |
| 塩 | 3g |
| 卵1個+水 | 合計142g |
| スキムミルク | 8g |
卵1個+水の量について
卵は大きさによって重さが少し違います。
そのため、卵を割り入れて重さを量り、
そこに水を足して 合計142g にします。
たとえば、卵が50gなら、
水は92gほど加えるイメージです。

ここを合わせておくと、生地の水分量が安定しやすくなります。
作り方の流れ
基本のロールパンは、次の流れで作ります。
- 生地をこねる
- バターを加える
- 一次発酵
- 分割・丸め
- ベンチタイム
- 成形
- 二次発酵
- 焼成
ひとつずつ進めれば大丈夫です。
- 1.生地をこねる
-
まずは、生地を作っていきます。
手順
内容 1 ボウルに強力粉・インスタントドライイースト・砂糖・塩・スキムミルクを入れ、全体を混ぜ合わせます。 2 卵と水を合わせたものを加え、粉気がなくなるまで混ぜます。 3 作業マットに生地を移します。 4 手のひらで、生地を台にこすりつけるようにしてこねます。 5 カードを使って生地を集めながらこねます。 6 生地の一部がマットからはがれるようになってきたら、ひとまとめにします。 7 生地を持ち上げて台に軽くたたきつけます。 8 手前に軽く引っ張ってから、向こう側に返します。 9 表面がなめらかになるまで、この動きを繰り返します。 最初は手にべたつきます。
「これ、本当にまとまるのかな」
と少し不安になるかもしれません。でも、こねているうちにグルテンがつながり、
少しずつ生地がまとまってきます。


手やマットについた生地は、カードを使って集めると作業しやすくなります。
- 2.バターを加える
-
生地がなめらかになってきたら、
バターを加えます。手順
内容 1 生地の一部を取り、指先で薄く伸ばします。 2 裏側が少し透けるようになったら、生地を平らに広げます。 3 バターを包み込みます。 4 生地とバターをよくなじませます。 5 生地がまとまってきたら、両手で軽く手前に引き寄せます。 6 生地の表面を張るように整えます。 -
バターを入れた直後は、
生地が少し崩れたように見えることがあります。でも大丈夫です。
あわてずにこねていくと、
少しずつバターがなじみ、
しっとりした生地になっていきます。 - 3.一次発酵
-
こね終わった生地をボウルに入れ、
一次発酵させます。一次発酵の目安
項目 目安 温度 30℃ 時間 約50分 状態 生地が約2倍になるまで 


生地が2倍くらいにふくらんだら、発酵の状態を確認します。
発酵の確認方法
指先に打ち粉をつけ、
生地の中にそっと指を入れます。穴がそのまま残れば、
一次発酵は完了です。穴がすぐに戻ってしまう場合は、
もう少し発酵させます。


発酵は、時間だけでなく、生地の様子を見ることも大切です。
- 4.分割・丸め
-
一次発酵が終わったら、
生地を8つに分けます。手順
内容 1 ボウルから生地を取り出します。 2 生地を8等分します。 3 手のひらで軽く押さえ、ガスを抜きます。 4 きれいな面を上にします。 5 表面に張りが出るように丸めます。 -
なるべく同じ大きさに分けると、
焼き上がりもそろいやすくなります。


はかりを使って分割すると、初心者の方でもきれいに作りやすいです。
- 5.ベンチタイム
-
丸めた生地は、
乾燥しないようにラップや濡れ布巾をかぶせます。そのまま15分ほど休ませます。
項目 目安 時間 約15分 目的 生地を休ませ、成形しやすくする -
この休ませる時間を、
ベンチタイム といいます。こねたばかりの生地は、
少し緊張して伸びにくくなっています。


休ませることで生地がゆるみ、次の成形がしやすくなります。
人も生地も、
少し休むと扱いやすくなるのですね。 - 6.ロールパンの成形
-
ここから、ロールパンらしい形にしていきます。
成形の手順
手順 内容 1 生地を手のひらで押さえて、軽くガスを抜きます。 2 きれいな面を下にします。 3 向こう側から1/3を折り、生地の端を押さえてくっつけます。 4 手前側からも1/3を折り、生地を押さえてくっつけます。 5 さらに半分に折り、端をしっかり押さえて閉じます。 6 生地を転がし、三角錐のような形にします。 7 太い方の生地の端をつまんで閉じます。 8 生地を15分ほど休ませます。 9 細い方を手前に置き、中央から向こう側に向かってめん棒をかけます。 10 生地の中ほどを持ち、軽く引っ張って伸ばします。 11 中央から手前に向かってめん棒をかけます。 12 太い方の端を少し上に折って、軽く押さえます。 13 向こう側から手前に向かって巻きます。 14 巻き終わりをつまんでくっつけます。 -
成形は少し細かく感じるかもしれません。
最初からきれいな形にしようとしなくて大丈夫です。
何度か作るうちに、
少しずつ手が覚えていきます。ロールパンの形は、
多少ふぞろいでもかわいいものです。 - 7.二次発酵
-
成形した生地を天板に並べ、
二次発酵させます。二次発酵の目安
項目 目安 温度 35℃ 時間 約60分 状態 ひとまわりふっくらするまで 


発酵中も、生地が乾燥しないように気をつけます。
-
乾燥すると表面がかたくなり、
焼き上がりにも影響します。ふんわりとふくらむまで、
静かに待ちましょう。 - 8.焼成
-
二次発酵が終わったら、
いよいよ焼きます。焼成の目安
項目 目安 予熱 200℃ 焼成 200℃で約12分 -
200℃に予熱したオーブンで、
12分ほど焼きます。


オーブンによって焼き色に差が出るので、最後の数分は様子を見ながら調整してください。
表面にほどよく焼き色がついたら、
基本のロールパンの出来上がりです。焼き上がりの香りが広がる瞬間は、
何度作っても少し嬉しくなります。
作りやすくするコツ
1. 生地がべたつくときはカードを使う
こね始めの生地は、
手にべたつきやすいです。



そんなときは、カードを使って、台や手についた生地を集めながら作業すると楽になります。
無理に手だけでまとめようとしなくて大丈夫です。
道具に少し助けてもらうだけで、
パン作りはぐっとやさしくなります。
2. 打ち粉は必要な分だけ使う
生地がべたつくときは、
打ち粉を使ってまとめます。
ただし、打ち粉を入れすぎると、
生地がかたくなりやすいことがあります。



少しずつ使うのがおすすめです。「足りなければ少し足す」くらいの気持ちで大丈夫です。
3. 生地はやさしく扱う
こねるときには、
台にこすりつけたり、たたきつけたりします。
けれど、生地を乱暴に扱う必要はありません。



力任せではなく、生地の様子を見ながらやさしく整えていきます。
それが、おいしいパンにつながります。
パン生地は、こちらの焦りを映すようなところがあります。
落ち着いて扱うと、
生地も少しずつ素直になってくれる気がします。
4. 計量はできるだけ正確に
パン作りでは、
材料を正確にはかることがとても大切です。
粉、水分、イースト、塩。
それぞれの分量が少し変わるだけで、
生地のまとまり方やふくらみ方が変わります。



初心者の方ほど、最初はレシピ通りに正確にはかるのがおすすめです。
慣れてきたら、
少しずつ自分好みに調整していくと楽しくなります。
基本のロールパン生地はアレンジしやすい
このロールパン生地は、
そのまま焼いてもおいしいですが、
いろいろなパンにアレンジしやすい生地です。
| アレンジ | 内容 |
|---|---|
| チョコレートパン | 板チョコを包んで菓子パンに |
| ハムチーズロール | ハムとチーズを巻いて惣菜パンに |
| あんパン | あんこを包んで和風の菓子パンに |
| ウインナーロール | ウインナーを巻いて食事パンに |
| クリームパン | カスタードを包んで甘いパンに |
型がなくても作れるので、
はじめてパン作りに挑戦する方にも向いています。



基本の生地をひとつ覚えると、週末のパン作りがぐっと楽しくなります。
まとめ
今回は、家庭用オーブンで作れる、
基本のロールパンの作り方をご紹介しました。
高温が出る本格的なオーブンがなくても、
200℃前後でおいしいロールパンは焼けます。
大切なのは、
- 材料を正確にはかること
- 生地をしっかりこねること
- 乾燥させないこと
- 発酵の様子を見ること
- オーブンに合わせて焼き時間を調整すること
生地をこねるとき、
はじめは手にべたついて少し大変かもしれません。
でも、こねていくうちに生地がまとまり、
少しずつなめらかになっていきます。
その変化を感じられるのも、
パン作りの楽しいところです。
この基本のロールパン生地は、
チョコレートパンやハムチーズロールなど、
いろいろなアレンジにも使えます。
型がなくても作れるので、
初心者の方にもおすすめです。
古いオーブンでも、
高温が出なくても、
工夫すればパン作りは楽しめます。
週末の少し静かな時間に、
生地をこねて、形を整えて、焼き上がりを待つ。
その時間が、
暮らしの中の小さな楽しみになりますように。









