江島神社をひとりで歩く|江ノ島の見どころと静かな時間

今回は、神奈川県藤沢市・江の島にある 江島神社 を歩いてきました。

江の島は、観光地としても人気があり、
海に囲まれた島へ橋を渡って向かう道のりそのものが、少し特別な時間に感じられる場所です。

潮風を受けながら江の島弁天橋を渡り、
青銅の鳥居をくぐり、仲見世通りを進む。

その先に、三姉妹の女神をお祀りする江島神社があります。

はじめて訪れる方にも分かりやすいように、
今回は 江の島弁天橋から江島神社を巡る参拝ルート と見どころを、順を追ってまとめました。

静かな散歩気分で、
ゆっくり巡ってみましょう。

目次

江島神社とは|三姉妹の女神を祀る江の島の神社

江島神社は、江の島の中にある三つのお宮、
辺津宮(へつみや)・中津宮(なかつみや)・奥津宮(おくつみや) を合わせた神社です。

三つのお宮には、それぞれ三姉妹の女神様がお祀りされています。

お宮読み方御祭神分かりやすい説明
辺津宮へつみや田寸津比賣命江島神社の一番下にあるお宮
中津宮なかつみや市寸島比賣命朱色が美しい華やかなお宮
奥津宮おくつみや多紀理比賣命江島神社の奥にある重厚なお宮

聞きなれない言葉のミニ解説

江島神社の記事では、少し聞きなれない言葉が出てきます。

言葉読み方意味
御祭神ごさいじんその神社にお祀りされている神様
辺津宮へつみや江島神社の一番下にあるお宮
中津宮なかつみや三社の中ほどにあるお宮
奥津宮おくつみや江島神社の奥にあるお宮
弁財天べんざいてん音楽・芸能・財福などの神様として信仰される女神
奉安殿ほうあんでん弁財天像などをお祀りするお堂
末社まっしゃ境内にある小さなお社
社紋しゃもん神社の紋章のようなもの
岩屋いわや江の島の海食洞窟。信仰の発祥地とされる場所

意味が分かると、境内を歩く時間が少し深くなります。

江の島弁天橋から江島神社へ

江の島に到着すると、まず大きな橋が見えてきます。

それが、江の島へ渡る 江の島弁天橋 です。

橋を渡る時間は、江島神社参拝の始まりでもあります。
海を渡って島へ入っていく感覚があり、日常から少し離れていくような気持ちになります。

橋を渡りきると、江島神社へ続く参道の入口に 青銅の鳥居 が見えてきます。

ここで一礼。

「おじゃまします」
という気持ちで鳥居をくぐります。

青銅の鳥居の先には、
おみやげ屋さんや食事処が並ぶ仲見世通りがあります。

海の観光地らしいにぎやかさがあり、
歩いているだけで少し気持ちが浮き立ちます。

仲見世通りを進むと、
今度は鮮やかな朱色の鳥居が見えてきます。

ここから、いよいよ江島神社の参拝が始まります。

江島神社参拝の服装と注意点

江島神社の境内は、階段や坂道が多く、高低差があります。

歩きやすい靴と、動きやすい服装がおすすめです。

足腰に不安がある方や、階段が大変な方は、
江の島の有料エスカレーター エスカー を利用すると便利です。

神社参拝は、頑張るためのものではなく、
心を整える時間でもあります。

すべてを歩いて巡るのもよいですが、無理をしないことも大切です。

辺津宮|江島神社の中心となる下之宮

朱色の鳥居から石段を上っていくと、
最初に到着するのが 辺津宮(へつみや) です。

辺津宮は、江島神社の一番下に位置することから、
下之宮(しものみや) とも呼ばれています。

御祭神は、
田寸津比賣命(たぎつひめのみこと) です。

銭洗い白龍王と巾着型のお賽銭箱

辺津宮の本殿近くには、
銭洗い白龍王 があります。

白く美しい龍が鎮座しており、
この池でお金を洗うと御利益があるといわれています。

お金を清めてから拝殿へ向かうと、
巾着型のかわいらしいお賽銭箱が目に入ります。

このお賽銭箱には、
相模彫り という独特の彫りが施されています。

お賽銭を入れると音が鳴る仕組みになっていて、その清らかな音が響くと、気持ちまで洗われるようでした。

相模彫りとは?

相模彫りは、神奈川周辺の伝統的な彫刻技法として知られる彫りの表現です。

難しく考えすぎなくても、
「地域に伝わる細やかな彫刻の美しさ」
として受け取ると分かりやすいと思います。

奉安殿|二体の弁財天をお祀りする八角形のお堂

辺津宮の境内には、
八角形のお堂 奉安殿(ほうあんでん) があります。

こちらには、二体の弁財天像が安置されています。

  • 八臂弁財天
  • 妙音弁財天

八臂弁財天|力強い勝運の女神

八臂弁財天(はっぴべんざいてん) は、
八つの腕を持つ弁財天です。

「臂」は腕という意味なので、
八臂は「八本の腕」と考えると分かりやすいです。

弁財天はもともと古代インドの水の神「サラスヴァティー」に由来するとされ、日本では音楽や芸能、財福の神として信仰される一方で、武器を持つ姿では勝運や守護の力も感じさせます。

剣や弓などを持つ姿はとても力強く、やさしい女神というより、凛とした戦いの女神のような雰囲気があります。

妙音弁財天|音楽・芸能の女神

妙音弁財天(みょうおんべんざいてん) は、
琵琶を抱えた美しい弁財天です。

音楽・芸能の女神として信仰されています。

江島神社の妙音弁財天は、
日本三大弁財天のひとつとして知られています。

その姿には、
水のようなやわらかさと、芸事を支える静かな力を感じます。

堂内には、江島縁起にちなむ十五童子像や龍の絵もあり、
江島神社の信仰の物語に触れられる場所です。

拝観は有料ですが、江島神社を深く感じたい方には、ぜひ立ち寄っていただきたい場所です。

江島縁起|天女と五頭龍の物語

江島神社を歩くうえで知っておきたいのが、
江島縁起(えのしまえんぎ) に伝わる物語です。

縁起とは、
神社やお寺の由来、成り立ちを伝える物語のことです。

江島縁起には、天女と五頭龍の伝説が伝えられています。

その昔、鎌倉の地には五頭龍が住み、
村人たちを苦しめていました。

ある日、天女が舞い降り、
五頭龍はその天女に恋をします。

しかし、悪行を重ねていた五頭龍は、
天女に結婚を断られます。

その後、天女に諭された五頭龍は改心し、
村人たちを守る存在となりました。

けれど、人々を守るたびに体は衰えていきます。

やがて五頭龍は、
この地を守り続けることを約束し、
山に姿を変えたと伝えられています。

天女は江島弁財天として祀られ、
五頭龍は江の島の向かいにある龍口明神社に祀られているといわれています。

江島神社を歩いていると、境内のいたるところで龍の姿を見かけます。それは、ただの装飾ではなく、この島に残る物語の気配なのだと思います。

辺津宮の末社|八坂神社・稲荷社・秋葉社

奉安殿の近くには、
江島神社の末社がお祀りされています。

八坂神社

八坂神社の御祭神は、
建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと) です。

水難・火難・病難除去、五穀豊穣の神としてお祀りされています。

毎年7月の神幸祭では、神輿の海中渡御が行われます。江の島をあげて行われる夏祭りとして知られ、湘南らしい迫力を感じる行事です。

稲荷社・秋葉社

稲荷社と秋葉社には、
衣食住の神、火の神がお祀りされています。

お社御祭神説明
稲荷社豊受気毘賣命衣食住を守る神様
秋葉社火之迦具土神火の神様

江戸時代には火事が多く、
火を鎮める信仰は人々の暮らしにとってとても大切なものでした。

小さなお社にも、その土地で生きてきた人たちの願いが残っています。

中津宮|華やかな美の女神を祀るお宮

辺津宮からさらに歩くと、
中津宮(なかつみや) に到着します。

御祭神は、
市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)

三姉妹の中でも、特に美しい女神と伝えられています。

朱色の社殿はとても華やかで、
拝殿上部には龍や花鳥風月が描かれています。

辺津宮が参拝の中心なら、
中津宮は少し華やかさが増す場所です。

女性らしさ、艶やかさ、美しさ。そうした言葉が自然と浮かんでくるようなお宮でした。

よくばり美人守と水みくじ

中津宮には、
美にちなんだお守りがあります。

その名も、
よくばり美人守

美肌・美髪・美笑・美形・美白など、
願いに合わせて選べるストラップタイプのお守りです。

また、中津宮では 水みくじ も人気です。

白紙のおみくじを水に浸すと、
文字が浮かび上がる仕組みです。

水に関わる神社らしい、
静かで少し不思議なおみくじですね。

中津宮は、まさに華のあるスポット。気持ちまで少し明るくなるような場所です。

奥津宮|江島神社の奥に鎮座する本宮

中津宮からさらに奥へ進むと、
奥津宮(おくつみや) に到着します。

御祭神は、
三姉妹の一番上の姉神である
多紀理比賣命(たぎりひめのみこと) です。

奥津宮は、辺津宮や中津宮とはまた違う空気を持っています。

華やかさというより、
重厚さと静けさ。

海を見守るように鎮座している姿に、優しさの奥にある芯の強さを感じました。

八方睨みの亀

奥津宮でぜひ見ておきたいのが、
拝殿の天井に描かれた 八方睨みの亀 です。

「八方睨み」とは、
どの方向から見ても、こちらを見ているように感じる絵のことです。

実際に立つ位置を変えてみると、
本当にどこからでも見られているようで不思議です。

奥津宮の境内には庭園のような落ち着きがあり、ここまで歩いてきた時間が、ひとつの物語の終盤に入っていくようでした。

燈籠に彫られた乙姫と浦島太郎

奥津宮の拝殿入口近くには、
龍宮伝説を思わせる彫刻もあります。

右手の燈籠には竜宮の乙姫。
左手の燈籠には亀に乗った浦島太郎。

江の島という土地が、
海の物語と深く結びついていることを感じさせてくれます。

こうした細かな見どころを探しながら歩くと、参拝がより楽しくなります。

龍宮|岩屋本宮の真上に祀られる力強いお宮

奥津宮の隣には、
龍宮(わだつのみや) があります。

こちらは、岩屋本宮の真上にあたる場所に、
龍宮大神をお祀りしたお宮です。

洞窟のような入口の上に鎮座する龍の姿は、
とても力強く、思わず立ち止まってしまいます。

中津宮の華やかさ、
奥津宮の静けさを経て、
龍宮では一気に男性的で力強いエネルギーを感じました。

江島神社の参拝は、
ただ順番にお宮を巡るだけではありません。

歩くほどに空気が変わり、物語が深まっていくような感覚があります。

岩屋本宮|江の島弁財天信仰の発祥地

奥津宮からさらに下っていくと、
江の島岩屋 にたどり着きます。

岩屋本宮は、江の島弁財天信仰の発祥地とされる場所です。

その昔、多くの高僧や武将がこの地にこもり、
修行や祈願をしたと伝えられています。

また、古くから龍神が棲む龍窟としても信仰されてきた場所です。

江島神社の物語は、
辺津宮から始まり、中津宮、奥津宮、龍宮へと続き、
最後に岩屋へとつながっていきます。

まるで一つの長い物語を歩いているようでした。

江島神社でよく見かける「三枚のうろこ」

江島神社を歩いていると、
社紋の 三枚のうろこ が目に入ります。

初めて見たとき、
「なぜここに勇者の証・トライフォースが……(ゼルダの伝説)」
と思ってしまうような、不思議な印象がありました。

三枚のうろこは北条家の家紋としても知られていますが、
江島神社とのご縁を知ると、境内で見かけるたびに少し特別に感じられます。

江島神社でいただきたいお守り

江島神社には、
それぞれのお宮にちなんだお守りがあります。

中でも印象的だったのが、
中津宮の よくばり美人守 です。

ストラップ式で持ちやすく、
美肌・美髪・美笑など願いに合わせて選べるところがかわいらしいです。

もうひとつおすすめしたいのが、
御塩守 です。

根付タイプのお守りで、
小さなケースの中に御塩と清水が入っています。

海と水の信仰が深い江島神社らしい、清めの気配を感じるお守りだと思います。

江島神社参拝と一緒に楽しみたい江の島グルメ

江の島周辺には、
おみやげ屋さんや食事処がたくさんあります。

参拝のあとに楽しみたいのが、
やはり江の島らしいグルメです。

おすすめは、

  • たこせんべい
  • 生しらす丼
  • 釜揚げしらす丼
  • 海鮮丼

生しらすは1月~3月までは禁漁です。漁獲量によっては提供できない場合もあるようです。生しらすを楽しみに行くなら、時期やお店のSNSを確認してから訪れると安心です。

江島神社の参拝ルートまとめ

はじめて江島神社を巡る方は、
次の流れで歩くと分かりやすいです。

順番場所見どころ
1江の島弁天橋海を渡って江の島へ
2青銅の鳥居江の島弁財天信仰の象徴
3仲見世通りおみやげ屋・食事処が並ぶ参道
4朱の鳥居江島神社の入口
5辺津宮江島神社の中心・社務所や御朱印
6奉安殿八臂弁財天・妙音弁財天を拝観
7中津宮朱色の華やかな社殿と美のお守り
8奥津宮重厚で静かな本宮
9龍宮力強い龍宮大神
10江の島岩屋弁財天信仰の発祥地とされる洞窟

すべて巡るなら、時間には余裕を持って訪れるのがおすすめです。

まとめ|江島神社は、女神と龍の物語を歩く神社

江島神社は、最初は弁天様や三姉妹の女神様をお祀りする、
女性的で華やかな神社という印象がありました。

辺津宮では、清めと祈りの中心に立つような感覚。
中津宮では、美しさと華やかさ。
奥津宮では、優しさの中に一本芯の通った力強さ。
そして龍宮では、男性的で圧倒されるような龍の力。

歩くほどに、
江島神社の印象は少しずつ変わっていきました。

境内のいたるところで見かける龍。
社紋の三枚のうろこ。
弁財天と五頭龍の物語。
岩屋へと続く信仰の流れ。

江島神社は、ただお参りをするだけでなく、
物語の中を歩くように巡れる神社です。

周辺にはおみやげ屋さんや食事処も多く、
参拝と観光を一日かけて楽しめます。

たこせんべいや生しらす丼も、
江の島らしい楽しみのひとつです。

ただし、生しらすは禁漁期間や不漁の日には提供されないことがあります。
訪れる前に確認しておくと安心です。

海を渡り、鳥居をくぐり、
三姉妹の女神と龍の気配を感じながら歩く江島神社。

ぜひ、江の島の物語を、
ご自身の足でゆっくり体感してみてください。

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